HirasawondeR
ヒラサワンダ
音楽』以外に 選択肢はなかった。
だから、打ち込めた。
長岡市出身。
「BMW」「ユニリーバ」のテレビCMなど、大手企業100社以上のBGMを手掛ける作曲家。最近では、女性の曲線をユーモア
溢れる独自の視点から切り取るヌード写真が注目され、2012年から「大地と花びらの写真展」が全国各地で開催された。
現在に至るまでの経緯をきいた。
中学、高校ではサッカー部に所属。運動神経がよく、新潟県で1番になるほど足が速かった。高校もサッカー推薦で入学するほど。
そんなスポーツマンとしての一面の裏で、通奏低音のように綿々と流れていたもの、
それが「音楽」だった。
幼稚園の頃、ピアノを習っていた。中学生になってギターを始めた。「耳はよかった」と話すヒラサワンダさん。音楽を聴いては、独自に弦をおさえてコピーする。ギターはほぼ独学だった。
そして、バンド活動を始める。当時は小室サウンド全盛期。だが、ヒラサワンダさんは人が良いというものは決して聞かず、人とは逆の方へと関心を傾ける性格だったという。
次に、「映像には音楽はつきもの。映像制作会社に売り込んでみてはどうだろうか?」と考えたヒラサワンダさん。また、片っ端からディスクを持っていく。
そして、あるとき遂に「CMの音楽をやってみないか」と声が
かかった。
「BMW」だった。
機材の使い方もまだよくわからないレコーディング。ただ、そこには大手メーカーだけに様々な業界の人が集ってきていた。そこからまた次の仕事へとつながりが生まれた。
「 職歴もない自分、『音楽』以外に選択肢はなかった。だから、打ち込めた。」
高校卒業後、音楽の専門学校も考えた。しかし、10歳ほど年のはなれた親戚から、「音楽関係の学校に行っても、メタリカのTシャツ来た長髪のやつらばっかりだ。やめた方がいい。」と言われ、進学は諦め、東京に出てバイトをしながら、趣味でバンド活動をすることに。
ライブハウスで活動を続けていたあるとき、バンドのドラマーがプロに転向した。「自分は表舞台に立つのではなく、裏方の方に向いているのではないか?」バンドの活動に疑問を感じ始める。
さらに30歳手前の29歳のとき、周りの知り合いがどんどん自分の道を進み始めているのを見て、目的意識もなくふらふらしていた自分に焦りを感じた。
「このままではまずい。」
そう思い一念発起。自分の作った曲をディスクに焼き、表に名前と連絡先を書いてインターネットで調べた音楽会社に片っ端から持っていく。
「自分がスパイク=リーに依頼されて作曲したら...というのをイメージして作りました。一度聴いてください。」などと担当者に話しながら、何度も何度も、断られては次、断られては次と、必死に音楽会社をまわった。だが、相手にしてくれる会社はなかった。 それでもあきらめなかった。
東京を活動の中心としているヒラサワンダさんだが、最近では県内での写真展開催を機に、新潟でも音楽の声がかかるようになったという。
その一つが2013年7月21日デビューした『駅南いちごぱんつ』だ。新潟美少女図鑑モデルの永井亜子と蕩萌めるによるDJユニット。ヒラサワンダさんはその楽曲を手掛ける。
取材をさせてもらった日、その前日までの3日間徹夜してレコーディングしたという出来立ての楽曲を聞かせてもらった。
「いかにもアイドルといったものじゃつまらないので、マイケルジャクソン的 要素を入れてみた。」という曲。ストーリー性の強いインストゥルメンタル。
「好きなように作ることができた。」と語る表情はとても楽しそう。
「音楽だけでメシを食っていくという、当初の目標は達成された。」というヒラサワンダさん。
もともと映画のサントラをよく聞いていたこともあり、映画音楽を手掛けるのが夢と話す。
今後の ”wondeR” land から目が離せない。
HirasawondeR